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July 01, 2005

お月さまが見てる

 父が永眠しました。1年と1ヶ月病気と闘った父は、母のもとへ行きました。

 母は、6年前に他界しました。花で例えると、向日葵のような母でした。明るくて、友達がたくさんいて、私が悩んでいると「そんなの気にしなくていいのよ!」と笑って励ましてくれる我が家の太陽でした。そんな母がいなくなったものですから、父は寂しかったんでしょう。酒、酒、酒・・・の毎日。いつ電話しても酔っ払っているし、真夜中に電話してくることもしばしば。「お酒ばかり飲んでいてはダメだよ!」と注意しても、「うるさいなぁ。眠いので静かにしてください。」と呂律が回らない口で言い放つだけ。そんな日が続いての入院でした。意識不明のまま、酸素マスクと点滴で生かされている父を見るのはとても辛かったです。「もう止めて!」と心の中で叫びながらも、「まだいかないで!もっと遼太郎と遊んで!」という複雑な思いでした。

 いつ急変してもおかしくないという状態が、1年と1ヶ月続きました。毎晩、「無事に朝を迎えられますように。」と祈りながら部屋の電気を消したものです。自宅の電話や携帯が鳴る度、「ついにその時がきた!」と心臓が凍るようでした。会社の上司に「この伝票、生きてるか死んでるか(有効か無効か)調べてくれ。」と頼まれる度、『よりによってこんな時に、なんて嫌な言い方するんだろう…』と心の中で泣きました。

 父が亡くなる3日位前、私は夢を見ました。母と私と妹が、入院中の父を見守っています。母が「精一杯頑張ったね。もういいよね。」と言い、その後三人で酸素マスクを外す夢です。朝起きた時、「いよいよその時が来るんだ」と心の中で少し覚悟していました。母が知らせてくれたのかもしれません。

 母の戒名に「澄月」という字が入っています。母が亡くなった日、雲ひとつ無い夜空にぽっかりときれいな月が出ていました。母の生前の姿をそのまま表しているようでした。そんな月を見て、住職が素敵な戒名を付けて下さったのです。だから私にとっては、“月=母”というイメージなので、夜空に月が出ているとホッとするんです。きれいな月が出ている時は遼太郎とベランダに出て、「おばあちゃんは月にいるんだよ。いつも遼くんのこと見てくれているからね。」と、赤ちゃんの時から話しています。「おじいちゃんも月に行ったんだよ。遼くんがいい子にしてるのを見てくれているよ。」

 母と最後に会話したのは、忘れもしない12月15日。「子供はまだなの?お世話してあげるからね。」そんな話をしたちょうど4年後に、遼太郎は生まれました。母が亡くなった寂しさにいつまでもメソメソしている私へ、もう泣かないようにと母が私にプレゼントしてくれたような気がしてなりません。

 お月さま、今日は雲に隠れているけれど、きっとお父さんと6年ぶりの話に花を咲かせているんでしょうね。

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Comments

いろいろ大変だったね。

お月様がきれいなのは、懐かしい人の魂が住んでいるから
かもしれないね。

Posted by: G・鳥坂 | July 05, 2005 01:58 PM

大変でしたー(>_<)。
親離れできなかった私なので、子離れもできないのかな~。
遼太郎は、お月さまに見守られて優しい子に育って欲しいです。

Posted by: なま | July 05, 2005 10:50 PM

やべェなあ、泣きそうです。

「お月さまが見てる」ってそういうことだったんですか。

Posted by: 剛@ペルー | July 25, 2005 12:17 AM

いや、お恥ずかしい・・・。
甘ったれなんですよ、私。
色々と引きずりながら6年間過ごしてきました。
そしてこれからも、そうなのかもしれません。

Posted by: なま | July 27, 2005 11:51 PM

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